こんにちは。 id:akawakami です。はてなの企業ロゴリニューアルを担当しました。
はてなでは、20周年を機に企業ロゴのリニューアルを行いました。ロゴマークのコンセプトなど、表現上の意図についてはプレスリリースで触れられているので、ここでは制作面にフォーカスして、ロゴマークのデザインをご紹介したいと思います。
はてなロゴの変遷
今回リニューアルしたロゴマークは、はてなの企業ロゴとしては4代目となります。
「人力検索はてな(人力検索サイトはてな)」とともにデビューした、はてなの最初のロゴマークです。
ブロックを組み合わせてはてなマークを表現したロゴマークです。この時に生まれたはてなマークの表現が、その後のロゴマークに踏襲されていきます。
ブロックのはてなマークをシンプルにアップデートしたロゴマークです。このロゴマークは、約14年もの間、はてなの企業ロゴとして使用されていたので、強く印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
そして、20周年を機にリニューアルした新しいロゴマークです。これまでのはてなマークの表現を引き継ぎつつ、「ノード」や「二進法」をモチーフにして構成してみました。
3つのキーワード
新しいロゴマークを制作する上で、表現上のキーワードを3つ設けました。
- ?
- Make
- Round
?
20年間をユーザーとともに歩み、親しまれてきたはてな。新しいロゴマークでも、全く新しい価値観に刷新するのではなくて、連綿と続く「はてな」という文脈の延長線上にあるものを表現する必要があると考えました。その文脈の象徴として、新しいロゴマークでもこれまでの「?(はてなマーク)」の表現をデザインの基礎としました。
新しいはてなマークを設計する上で意識したのはアスペクト比。これまでのシンボルマークは菱形でしたが、最近ではアプリアイコンやイベントのロゴ掲出などで、正方形のスペースにマークを配置するケースが増えているので、視覚的な安定感を考慮し、シンボルマークのバランスも正方形に近づけています。
Make
はてなのカルチャーに根付いている「ものづくり」をロゴマークでも表現するべく、思いついたアイデアが「つくれるロゴマーク」でした。「つくれる」という以上、誰でも気軽に作れるようにしたい。特別なパーツを用意するのではなく、汎用的なパーツを組み立てるとオリジナルのマークになる、そんな体験をロゴマークに込めることは出来ないか。
そこで、新しいロゴマークは、正円だけでシンボルマークを構成することにしました。構成要素が正円であれば、特別な形状の素材を準備する必要はありません。シールや電球、フタ、ボールなど、普段の生活の中にあるものを使って、忠実にシンボルマークを「つくる」ことができます。
規定の比率でレイアウトするのに便利なテンプレートを以下にアップロードしています。正円の直径を7倍したものがテンプレートの幅となります。お手元の素材サイズに合わせて拡大・縮小して使ってみて下さい。
Round
はてなは「さまざまな人の多様な表現を受け止められるプラットフォーム(コミュニティガイドラインより引用)」を目指しています。これまでのはてなロゴは直線的で力強い印象でしたが、新しいロゴマークでは、そこに価値観の多様性を投影したような、柔和なニュアンスも盛り込みたいと考えました。
そこで、新しいデザインでは、シンボルマークを正円のみで構成し、ロゴタイプも角には面取りを施すなど、全体の構成に多くの曲線を取り入れ、角の無い造形を目指しました。ロゴタイプのフォントは、ベーシックなゴシック体のフォルムを基本としつつ、力強さを残しながらも軽やかで柔和な表情をあわせ持つ、オリジナルの書体を採用しています。
14年の重み
ロゴマークは要素に対する情報量がかなり多いので、初見で適切にデザインコンセプトを伝えるには、制作意図等の情報を出来る限りスムーズに伝える必要があります。
また、14年もの間、見慣れ、親しんできたものを変えるとなると、そこには言語化できない違和感の壁が立ちはだかります。なので、プレゼンテーションには、ロジックだけでなく、直観的に伝えるアプローチが必要だと思いました。
そこで、今回のリニューアルでは、新ロゴのコンセプトを凝縮した簡単なムービーを作り、プレゼンテーションの一部として利用しました。
ロゴマークの展開
新しいロゴマークは、はてなのサービスで使用されるだけでなく、グッズやコーポレートツールなど、様々な場所に展開されていきます。
最後に
以上、新しいロゴマークのデザインのポイントをいくつかご紹介しました。はてなの新しい企業ロゴが、これまでのロゴマーク同様、みなさんに愛されるロゴマークになりますように。
今回紹介した企業ロゴについては、以下のサイトでダウンロードして頂けます。使用に関するガイドラインも掲載していますので、合わせてご覧ください。